めぐみ一般質問 その6不登校から見えてきたものを

めぐみ一般質問 その6不登校から見えてきたものを
<めぐみ>
少子化にも関わらず、年々不登校児童生徒は増えてきている。令和6年度は、2741人で、五月雨登校など不登校気味の子どもを含めると、もっと多い数字になる。
民間のフリースクールやオンライン学習などを活用する子どもも多くなり、学びの選択肢は多様化してきている。
1、不登校になった子どもや保護者への支援、いわゆる対処的な支援は増えてきている。しかし、なぜ不登校は増えているのか、なぜ子どもたちは学校から自ら脱出しているのかという根本的な問いについての問題認識が足りないと感じている。
不登校を、子ども個人の発達特性や家庭の問題だけを要因にしてはいけない。今の公教育が子どもたちに合っていない、ずれていることを認識することが必要だ。子どもたちが安心して学べる公教育のあり方の見直しが必要だと思うが、教育長はどう考えるのか。
<野秋教育長 答弁>
不登校のきっかけや要因とされる「不安」「学業不振」「友人や教職員との関係の問題」など、学校生活に起因するものは学校教育のあり方を見直す重要な視点となる。
主体性を生かした個別最適な学びの実現、協働的な学びや体験活動の創出など、子どもにとって魅力のある教育活動が求められる。
同時に、日々の学校生活を子どもの思いや考えを取り入れたものに変えていく。
今後も教職員一人ひとりが学校の価値を諦めることなく、子供達に伴走できるよう、多様なニーズに応じた支援体制づくりに取り組んでいく。
<めぐみ>
2、不登校対策推進協議会には、現在フリースクールなどの民間機関、保護者等は入っていない。そのため相互の意見交換がなく、協力、補完体制が持たれていない。そこで、フリースクールなどの民間機関、保護者、不登校経験者などを委員に入れ、市内の不登校児童生徒の支援のあり方を協議する不登校児童生徒支援協議会に改めないか。
<学校教育部長 答弁>
今後は、実効性のある施策について協議をさらに深められるよう、委員構成や関係者の出席について再検討する。当事者や保護者への支援や民間施設との連携のあり方についても協議内容に加えていく。
<めぐみ>
3、子どもが不登校になると、保護者の4人に1人が離職しているという民間調査結果がある。経済的に不安定になれば、子どもにも影響する。
東京都では、フリースクール等の利用料に対して、月額最大2万円の助成金を支給しており、名古屋市では2026年度から月額3万円を補助するとしている。他都市でも支給しているところがある。就学援助制度を使い、経済的に困難な家庭を対象に不登校関連の費用を助成するという方法もあるようだ。
令和6年度の決算審査で、こども家庭部の「こども習い事応援事業」は不登校児童のフリースクールやオンライン学習の利用に対しては対象外という答弁があった。子ども家庭部ができないのなら、教育委員会が何らかの経済的支援をすべきではないか?
学ぶ権利の保障と福祉的視点で、不登校児童生徒のフリースクールやオンライン学習の利用に対しての経済的支援を行うつもりはないか
<学校教育部長 答弁>
不登校児童生徒への支援は、教育分野のみならず、貧困対策や子育て支援を行う福祉分野との両面からサポートを行うことが重要と認識している。
今後は、こども家庭部と連携し、経済的支援を含めた不登校支援について調整を図っていく。
<めぐみ 再質問>
1、教育長に再質問
「不安」「学業不振」「友人や教職員との関係の問題」などが不登校のきっかけや要因とされていることが、学校教育のあり方を見直す視点とのことだが、具体的などのようなことが課題と考えているのか。
2、学校教育部長に再質問
こども家庭部と連携し、経済的支援を含めた不登校支援について調整を図るとのことだが、どのぐらいの期間で調整しようと考えているのか。
<めぐみ意見>
経済的支援として、まずは習い事支援の活用はいいが、根本的な対応を考えてほしい。
今回、「公教育」のあり方の見直しを取り上げた。通っている学校や担任の先生によって程度は異なるが、学力、体力による優劣、序列、一律のカリキュラムや評価方法が、多様な価値観や学習ペースを持つ子どもたちのニーズに合ってきていないのではないでしょうか。「学校が息苦しい場所になってきている」そんな声も聞こえてくる。
不登校の子どもたちが増え、学校を脱出しているのは「こどもの不安や発達の偏りなどに対応できていない」「こども一人ひとりに合った学びができていない」「硬直的なルールや同調圧力が学校に存在している」ということではないかと私は考える。
それに拍車をかけているのは「不登校はよくないことだ」「学校にはどれだけ苦しくても通うべきだ」という考えです。「同調圧力」「みんながやっているのに、あなたはなぜやらないの」という雰囲気で子どもたちを縛りつけ、従わざるをえないような状況をつくり上げている。
学校以外の選択肢の充実ともに、学校そのものが変わること。そして、子どもたちや保護者を追い込まないために社会全体としてどう取り組んでゆけばいいか、「学校にきちんと通い、受験に成功すること」からの脱却を、学校や教育委員会だけでなく、私たちみんなが考えていくことだと思う。