決算の締めくくり質疑

今年度から始まった決算の「締めくくり質疑」。
チャンスがあるなら、まずはやってみなくては。

10分間の質疑で、大きく2つの質疑をしました。
一つ目は、市職員の男女差別、男性の育児休業について。

男性職員の育児休業取得率は4.7%と、民間(6.16%)より低い!!


二つ目は、昨年の台風24号の対応についてです。
情報収集が不十分だった!!(昨年の台風24号の総括)



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浜松市政向上委員会 鈴木恵です。平成30年度決算における締めくくり質疑をいたします。


1つ目は、市職員について、川嶋総務部長に伺います。

まず、市職員の男女比について、お伺いします。
昨年度、医学部の入試において、女子受験者のみ得点を一律に減点し、合格者数を制限していたことが明らかになり、大きな社会問題となりました。また、以前、静岡県内の公立高校でも女性合格者数を制限するという悪しき慣例がありました。

浜松市役所では性別で差別するようなことが起きていないことを確認するため、以下、伺います。
平成30年度における職員採用試験の受験者の男女比、採用者の男女比は、いかがであったでしょうか。
また、50歳代の職員の男女比及び管理職の男女比についてはどうだったでしょうか。


次の質疑です。先月の大臣の「育児休暇の取得を考えている」との発言で、改めて注目を集めている「男性の育児休業」についてです。
本市の男性職員の育児休業取得者数と取得率を伺います。また、国の目標として2020年までに13%となっていますが、取得推進策として、どのようなことをしてきたのか伺います。ここで分割します。

<答弁>
職員採用試験における女性の割合は、42.0%、採用者で55.5%
50代の女性割合は15.2%、管理職の割合は7.1%

男性の育児休業取得は、6人で、4.7%.

「育児支援ハンドブック」の作成や、育児休業取得者には、職場復帰支援研修を、所属長に対してはイクボス研修をしている。


採用では、性別の差はないけれど、管理職登用となると、話が違っているようですね。
浜松市の男性職員の育児休業取得者数4人、取得率、4.7%との答弁でした。民間の取得率は、6.16%と、民間の方が高い数字となっています。

そこで、再質疑です。
答弁で、取得推進策として職場復帰支援研修、イクボス研修をしているとのことですが、平成30年度の研修内容と履修者数を教えてください。

企業の中には、男性社員に最低でも1ヶ月育休を取る制度を導入したり、「男性育休100%宣言プロジェクト」に取り組んだりと、育児休業を強力に進めているところがあります。また、50代の管理職の意識を変えることで、育休が取りやすくなる環境が整えようとしています。意見です。ノルウェーなどの北欧が導入している育休の一定期間を父親に割り当てる「パパクォータ制」などの制度の検討、イクボス研修の内容の充実と、参加者の増加を図るよう、意見いたします。

また、今回の決算審議の中で、消防局の女性消防吏員について、質疑しました。現在消防吏員889人中、女性消防吏員は30名で、占める割合は3.4%。国では、令和8年までに5%に引き上げることを目標とされていますので、意識して努力していただきたいと意見いたします。

ちなみに、平成30年度の消防吏員への女性受験者は10名、そのうち合格者は残念ながら0人でした。女性受験者を増やすための方策とともに、適材適所を原則に女性消防吏員の職域の拡大に努めていただき、女性消防吏員を増員するよう指摘いたします。



次の質疑にいく前に
このたびの台風19号で被害に遭われた地域、住民の方々にお見舞い申し上げるととともに、早期の復旧、1日でも早く平常な生活が戻ることをお祈りいたします。他人事ではなく、明日は我が身と肝に命じていきたいと思います。

一般的に温暖化で海水温が高くなると台風が発達する傾向があると言われています。先月の国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「海洋と雪氷圏(せっぴょうけん)に関する特別報告書」でも、温暖化の進行による海水温の上昇により、降水量が増え、強い台風が頻発すると予測されています。
気候変動の影響により、昨年の台風24号の大停電、今年の15号、19号のように甚大な被害をもたらす台風が今後も起こりうるということです。

では、昨年の台風24号による被害への対応について、お伺いします。

昨年9月30日の台風24号により、市内のあちこちで、想定外の停電をはじめ、各地、各業種で被害が出ました。被害や支援の状況など、市民への情報伝達が少なかったため、混乱したことを思い出されます。
市民への情報発信をしていくためには、地域の情報収集、ニーズの集約が必要不可欠です。

そこで、昨年の台風24号での経験をしっかり次の災害対応に生かしていただきたいと、質疑します。
1点目は、昨年の台風24号による被害への対応についての総括を宮城危機管理監に伺います。また、自主防災隊からの情報収集、自主防災隊への活動要請はできていたのか伺います。

2点目は、昨年の台風24号における市の情報収集について伺います。
 農業者や企業からの情報収集はどのようにしたのでしょうか、また、課題は何でしたか、渡瀬産業部長に伺います。
 福祉施設・事業所からの情報収集はスムーズにできたでしょうか、また、課題は何だったのか、朝月健康福祉部長に伺います。

3点目です。福祉施設(直営、指定管理、民間)の備蓄の状況、BCP(事業継続計画)の状況はどのようになっていたでしょうか。朝月健康福祉部長に伺います。

<答弁>
1、課題は、自主防災隊と連携した地域の被災状況など、全般的に情報収集が十分ではなかった。自主防災隊への協力要請ができなかった。
 「地域防災連携連絡会」で、情報収集手段を含めた体制の構築をはかる。具体的な配置基準を定める。

2、農業に関しては、市職員が6班に分かれ、情報収集にあたった。
  商工業に関しては、収集方法が明確でなく、把握は難しい状況だった。
  福祉施設に関しては、、被害状況の報告についての事前周知が不徹底であったこと、停電を想定する状況把握が課題。

3、民間の入所施設に関しては、指導監査の時に3日分の食料等が備蓄されていることを確認している。
 BCPに関しては、入所系施設379のうち、56施設が策定済み。


被害があったら、報告をするだけでの情報収集では不十分です。停電をして、固定電話やファックスが使えなくなってしまっているところでは、被害の状況、ニーズにあった支援などを的確に把握できません。市役所なり、区役所が、担当を決め、直接被害状況やニーズを聞くネットワークの構築、命令系統の明確化が必要かと思います。この点、医療関係で作っている「浜松市災害医療情報ネットワーク構築事業」は参考になるかと思います。停電時でも可能な地域別、産業別での、情報収集、情報提供の仕組みをつくり、活用できるようにと意見いたします。

また、多くの福祉施設は、福祉避難所に指定されていいます。福祉避難所を開くことができるためには、施設の安全確保とともに、職員体制などが事業継続できる見通しが必要です。
平成30年10 月19日に、厚生労働省から、「社会福祉施設等における災害時に備えたライフライン等の点検について」の通知がありました。社会福祉施設などの飲料水、食料などの備蓄と事業継続策定推進などの対策が求められています。ぜひ、高齢者、障害者、子どもたちの施設の事業継続策定の推進をしていただきたいと意見申し上げます。

台風24号で見えてきた被害対策について、昨年12月13日の防災会議で報告されましたが、会議録を読むと、質疑も意見もなしでした。農業、産業、福祉施設についての被害状況と対策、計画伐採などについて記載されていませんでした。しかも、議会にはその時の資料が配布されただけ、終了してしまいました。
実際に起こったことから学ぶことは大きいものがあります。災害対策は、様々な視点での検討、見直しをし、継続的に「準備」を進めていってもらいたいと指摘します。
以上で、締めくくり質疑を終了します。