化学物質過敏症への理解を〜一般質問から〜

一人の女性から、鉛筆で書かれたお手紙をいただきました。以前、障害のある方のボランティアを一緒にしていた方でからでした。3年ぐらい前から、普段日常的に使っている柔軟剤入りの合成洗剤、トイレの消臭剤、タンスの中の防虫剤などに接すると、咳がひどくでるようになり、1年ほど前からは、25年前に建てた新建材の家に反応し、激しい吐き気、呼吸ができなくなるほどの苦しさで、化学物質を排除したリフォームが終わるまでホテルや借家を転々としたと書いてありました。今まで当たり前にできていた、スーパーでの買い物、病院への通院、友人とのランチも、化学物質の匂いなどで頭痛、咳、吐き気、めまいなどの症状が出て、できなくなったと悲しんでいました。こうした化学物質に反応して具合に悪くなる化学物質過敏症(CS)についての情報はほとんど知られていません。

化学物質過敏症(CS)とは、様々な種類の微量化学物質に反応して、吐き気、頭痛など身体に不調を訴える症状であり、重症化すると通常の生活ができなくなる恐れがあります。理解が進んでいないため、苦しむ患者たちがいます。

また、人工的な香りや匂いに苦しむ、匂いの害「香害」という言葉も最近聞かれます。小学校では、給食当番のエプロンを使いまわししている学校も多く、香り付きの洗剤で洗われたエプロンを着て具合が悪くなったり、体育授業の後に、多くの生徒が違う香りの制汗剤を使うため、その臭いが混ざり合い教室内に充満し耐えられないという話は、先の校則を調べた時に聞かれた話です。

 

市民への化学物質過敏症への認知と理解を深めるよう啓発活動をする考えはないか、新村医療担当部長に伺います。

 

新村医療担当部長に、再質問します。

化学物質過敏症、香害の引き金になっている「香りつき洗剤・柔軟剤」ですが、最近では香りが長続きする製品として売られています。テレビのコマーシャルで見かけます。香りが長続きするのは、香り成分をマイクロカプセル=プラスチックに封じ込めることで可能になったからです。マイクロカプセルはその役割を終え、封じ込めた成分を放出した後も環境中に残ります。また、洗濯のたびに下水に放出され、海に流れ出てしまいます。飛散したプラスチック破片は、土壌や海洋のプラスチック汚染の原因となっています。

新村部長は、香害とマイクロプラスチックの問題はご存知だったでしょうか?環境部と一緒になって、問題を市民に情報提供するつもりはないでしょうか?

 

市職員は、レジ袋を受け取らないようにするとのことですが、市役所内の店舗では、レジ袋を無料で提供されており、受け取っているのを見かけます。市役所内もレジ袋廃止、マイバック推進をしていくべきだと思います。

化学物質過敏症、香害は新しい健康被害です。公共施設での過度の芳香剤の利用は避けてもらいたいです。

マイクロプラスチックも新しい課題です。歯磨きや洗顔のスクラブのマイクロビーズ、効き目が長くもつために香りつき柔軟剤、農薬などに使うマイクロカプセルなども、今後社会全体の問題になっていくことでしょう。昨日の馬塚議員への答弁で「脱プラゴミ宣言」を検討していくとのことでした。マイクロビーズ、マイクロカプセルの発生抑制について、アンテナを高くして、取り組んでいただきたいと思います。

 

 

気候変動や脱プラスチックへの施策は、市民の行動変容に繋がらなくては意味がありません。そのためには、市側、市職員の熱量が必要です。熱い思いが見え、熱さが伝染し、市民の行動に変化が訪れます。私も熱く思いを伝えていきます。多様性に富んだ人たちが、環境と共生し、活躍できる浜松になるよう、一緒に頑張っていきましょう。