子育て世代を全力で応援するまち〜子育て中の保護者の声から〜一般質問その5〜

子育て世代を全力で応援するまち〜子育て中の保護者の声から〜一般質問その5〜

 

「やらまいか総合戦略」の基本目標の一つに「子育て世代を全力で応援するまち」があります。本年4月1日現在の保育所の待機児童がゼロになりましたが、市民アンケートでは、子育て中の市民が「子育てしやすくなっている」と感じる割合は、令和2年度は元年度より下がり、47%と半分以下となっています。私のところに、保護者の方からこんなところにも目を向けてとの声が届いています。

1点目は、保育施設の防災についてです。
今年1月、共同通信社の調査によると、全国の認可保育所など約3万4500カ所のうち、43%となる約1万4700カ所が津波・洪水の浸水想定区域や土砂災害警戒区域に立地していると公表されました。各地で甚大な自然災害が頻発し、南海トラフ地震が予想されるなか、子どもの命を守る環境整備が必要となってきます。


そこで、2点鈴木子ども家庭部長に伺います。
ア 津波・洪水の浸水想定区域や土砂災害警戒区域に立地している市内の保育施設はどのくらいあるのでしょうか。
イ 保育施設の防災対策のさらなる強化についてどのように考えているのでしょうか。また、自治会や地域の企業との連携についてはどう考えていますでしょうか。

<回答>
認可保育施設195施設のうち、洪水や津波の浸水想定区域内に立地している施設は104施設、土砂災害警戒区域内に立地しているのは6施設。こうした施設は、避難確保計画を策定することになっている。今後、避難確保計画を確認し、必要に応じて、助言し、研修会等を実施していく。

 

2点目は保育所の汚れた紙おむつ、布おむつの持ち帰りについてです。


0歳、3歳の子どもを保育所に預けているママから、通っている園は、園でおむつを処分ではなく、持ち帰りとなっていて、衛生面、親の負担軽減などからおむつの持ち帰りを「やめることはできないか」という相談を受けました。おむつを持ち帰るのは不快であり、感染面が心配。通い袋ににおいがつくので、毎日通い袋も洗濯している。金曜日は着用していない服も含めすべての持ち物を持ち帰るが、すべて通い袋に入るため、着用していない綺麗な服もすべて洗濯する必要があり、親の負担はとても大きいとの訴えでした。ある園では、布おむつの持ち帰りとなっていて、その洗濯をどちらがするかということで夫婦喧嘩が絶えないという話も聞きました。

おむつを持ち帰る理由として、健康状態を知ってもらうために、家庭でチェックするためと説明されています。しかし、今わざわざ自宅でおむつを開いてチェックする保護者はどれだけいるでしょうか。異常あるならば、口頭や連絡帳に記載すれば済むことではないでしょうか。
また、保育士は、使用済みおむつの名前を確認し、神経を使って、違う子の袋に入れないようにしており、保育士の負担がさらに増えてしまっています。使用済みのおむつを保育所で処理することは、衛生面でも手間の面でも保育所と保護者両方が助かるのではないかと思います。ちなみに、通所型の高齢者施設では、おむつはほぼ施設で処理されています。

東京都豊島区では、子育て環境の向上に取り組むため、2018年度から区内すべての認可保育施設で出た使用済みの紙おむつを回収する仕組みを整えています。千葉市では、公立保育所のおむつ回収に予算をつけています。

おむつの持ち帰りの現状はどうなっているのでしょうか。公立保育園の紙おむつの持ち帰りをやめ、園で処理する方向にならないか。また民間の認可保育園に対して、園でのおむつ処分に支援をしていくことができないか、鈴木子ども家庭部長に伺います。

<回答>
市立保育園でのおむつ処分は、廃棄物の収集回数の増加、使用済みおむつの保管場所の確保等が課題。
民間事業者に実施した調査では、おむつ持ち帰りは認定こども園と保育所で約6割、地域型保育所で約3割。
重要性や優先度、効果をなどを見極める必要があるため、調査研究していく。

 

3点目は、小学校低学年の男女同室の着替えについてです。


次は、小学生ママからの相談です。「子どもの学校では、低学年は男女同室での着替えが行われています。子どもが嫌がって別室にして欲しいけど、学校側は対応してくれません」との相談です。

調べてみますと、2006年に文部科学省が男女同室での着替えについて、「児童生徒に羞恥心や戸惑いを感じさせる恐れがある」として、各教育委員会に適切な対応を求める通知を出しています。
また、昨年6月には、幼児期からの性被害防止教育の実施などを盛り込んだ性暴力対策強化案を政府は公表しました。低学年には水着で隠れる「プライベートゾーン」を他人に見せたり、触らせたりしないよう指導する教材をつくることになっています。
資料2ページの下段をご覧ください。文部科学省と内閣府が作成した「生命の安全教育教材(幼児期)」では、「みずぎでかくれるところはじぶんだけのだいじなところだからだよ」と水着で隠れる部分を大事なところ=プライベートゾーンであるとの内容が記載されています。また、学校にはトランスジェンダーの児童など、多様な性の児童もいて、配慮が必要です。

今回、教育委員会指導課を通じて、各学校に男女別の着替えについて調査をしていただきました。そこで、田中学校教育長に伺います。
浜松市内の小学校、男女同室での着替えの現状はどうだったでしょうか。また、今後の対応はどのようにするか、お伺います。

<回答>
およそ8割の学校で、1、2年生が男女同じ教室で着替えをしている。
多様な性のあり方に対する認識が高まっていることから、必要に応じて個室の更衣スペースを利用できるよう、配慮している。
カーテンや仕切りなどを設置している事例を各学校に周知し、発達に応じた対応、人権への配慮をし、学校で安心して着替えることができるように努めていく。

 

 

<保育所の防災対策についての意見>
保育所の避難確保計画の提出が義務化されており、実際に提出されていました。しかし、計画だけに終わっていないでしょうか。絵に書いた餅で、実際に災害が起こった時に役立つのかと疑問です。平時からの地域との連携はもちろん、防災の専門家などによる、子どもの命を守る保育施設の防災について、もっと突っ込んで考える研修会の実施をして欲しいと意見します。