発達支援学級の中学卒業後に進路について〜一般質問その6〜
浜松市は、早期発見・早期療育に早くからの取り組んでいただいている成果、また保護者の意識の変化もあり、年々、発達支援学級に在籍する児童・生徒が増えてきていて、それに伴って、中学卒業後の進路が課題となっています。
これまで、発達支援学級に在籍していると、県立高校には進学できないという話が保護者を中心にまことしやかに流れ、実際に中学校の進路指導で県立高校以外の進路を示されることが多いようです。発達支援学級卒業では高校に行けないのならと、中学校から無理矢理でも通常学級に入れる保護者もいるようです。
そうしたなか、本年度、初めて県教育委員会作成の進路パンフレットやホームページに「特別支援学級及び特別支援学校中等部から県立高等学校への志願は可能です」さらに「詳しくは、中学校又は教育事務所、政令市教育委員会にお問い合わせください」と明記されました。
発達支援学級の進路について、静岡市と比べてみました。浜松市は静岡市と比べて、知的学級の進路先として、通信制高校への進学が多く、自閉・情緒学級では、特別支援学校高等部が多くなっています。
保護者の方にこのデータを見ていただいたところ、知的と情緒が逆ならわかるけど、不思議ですねと言われました。静岡市では、知的級は特別支援学校高等部を目指し、自閉・情緒級は主に高等学校進学を目指すことを明文化されています。
そこで、2点花井教育長に伺います。
1点目です。県の方針の公表によって、発達支援学級、知的、自閉・情緒学級のそれぞれの学習カリキュラム、中学卒業後の進路指導をどうしていくのでしょうか。
<回答>
知的学級では、知的障害があってもできる限り教科の指導を意識した学習カリキュラムを組んでいる。自閉症・情緒学級では、通常の学級に準じた各教科の学習と障害特性の改善に向けた自立活動の学習カリキュラムを組んでいる。
就学支援委員会で、就学先について、単に知的の遅れや診断だけで判断せず、身辺処理、意思交換、対人関係等一人一人の教育的ニーズを総合的に検討し、判断している。
2点目です。発達障害のある子の将来について、「発達支援教育進路の手引き」はありますが、保護者の不安は大きいものがあり、中学卒業後の進路先や支援についての情報がまだまだ不足しているのが現状です。富士市では、校長会が中心となり、独自の合同相談会を実施しています。対象は、発達支援学級と通級に通う生徒です。近隣の高校が入試の時にどんな配慮をしてくれるのか、直接伺って聞き、保護者などに伝えているそうです。
発達支援学級と通級に通う生徒のための進路先、つまずいてしまった時の相談・支援先の情報を提供するガイダンス、そして発達支援学級卒業生の話を実際に聞ける場を作ったらどうかと考えますが、いかがでしょうか。
<回答>発達支援学級等の保護者を対象とした「進路ガイダンス」を開催し、進路の具体的な状況について説明を行う。ロールモデルとなる発達支援学級卒業生の話を聞く場を設けるなど、新たな情報提供の場を検討する。
<意見要望>
3年前、神奈川県にある県立全日制の2つの高校を見学に行ってきました。そこでは、軽度知的障害の生徒も、発達障害の生徒も進学でき、合理的配慮を受けて、学んでいました。
昨日の松下議員の代表質問で、発達支援学級を全校設置に進めていくとの答弁がありました。だからこそ、中学卒業後の進路先の充実は、待ったなしです。
花井教育長、軽度知的障害や発達障害の子どもたちの中学卒業後、神奈川県のような受け皿を作っていただけるよう、静岡県教育委員会に積極的に働きかけていただきたいです。ぜひ、よろしくお願いします。