中学校の制服、校則について〜一般質問その3〜

中学校の制服、校則について

私はこれまで、中学校の制服、校則の見直しを提言してきた。現在は多くの中学で校則の見直しがされ、制服や髪型に男女に分けての記載がなくなりつつある。下着の色の指定はなくなり、靴や靴下の色も白1色から見直されつつある。しかし、その取り組みも道半ばだ。今後、中学に入学する小学生や保護者からはさらなる多様性、経済性に配慮した制服や、意義を適切に説明できる校則にして欲しいと求められている。そこで、2点宮﨑教育長に伺う。

 

1点目は、制服について。

金額が高く、多様性に配慮されていない制服は、子供たちや保護者を悩ましています。

2年前の市内中学校の制服案内のチラシ。冬の制服だけで3万円から5万円かかる。これって、お父さんのスーツより、高くないですか。その上夏の制服、体操服、ジャージ、鞄、部活の道具やユニフォームなど、公立の中学校入学にも関わらず、入学時に10万円以上の出費となってしまう。

「娘の中学入学準備の時には、私のひと月半ぶんの給料がすっとんでいってしまいました。シングル家庭には厳しい出費でした」などの声が届いている。

 

浜松市の多くの中学校では、朝の登校時のみ制服を着用し、学校生活ではジャージで過ごしている。高価な制服なのに、使用頻度が低く、ほとんど傷むことがない。

学校によっては、卒業生の制服を集めてクリーニングし、安価に提供する「リユース制服」を実施しているところがある。兄弟の多い家庭や、外国にルーツを持つ家庭にはとても喜ばれているそうだ。しかし、現在のように学校ごとにデザインが異なる状況では、各学校の制服を取り揃えた上で、なおかつ成長途中にある生徒の身体にピッタリ合うサイズを、それぞれに揃えることはとても難しいとのことだ。 _

 

平成29年11月29日 公正取引委員会「公立中学校における制服の取引実態に関する調査報告書」(概要)では、それぞれ学校ごとの制服より、統一した方が金額的に安くなるというデータがある。

 

一部の学校で制服の見直しが行われているが、全48校中見直し済み、見直し検討中を含めても16校で、未だ全ての中学校が見直しとはなっていない。

小学生から、「スカートは絶対絶対履きたくないので、自分が中学校に行くまでになんとかして」という悲鳴にも似た声が私のところに届いている。原則公立中学校は学区で指定された学校へ入学することになっており、制服が登校のハードルになるケースもある。一部の生徒への「特別な配慮」としてではなく、全ての子どもたちが安心して性自認に沿った制服、ズボンもスカートも選べる制服が着られ、笑顔で学校に通えるルールと環境が必要だ。

 

すでに市内統一制服の取り組みは、政令市では福岡市と北九州市が導入しており、神戸市が2023年度から導入予定。静岡県内では、2023年度から裾野市、2024年度から掛川市と袋井市が導入予定。 _

以上のことから、性別や季節に関わらず、生徒が自由にパーツを選ぶことができる市内統一制服を制定し、各学校の制服か、市内統一制服のどちらかを選ぶことができる仕組みにできないか、伺う。

 

2点目。文部科学省は、本年度小中高校の生徒指導に関する教職員向けの手引書「生徒指導提要」(ていよう)の改訂案をまとめた。特に、校則に関する記述については、大幅な変更となり、ホームページでの公開を促すとともに、意義を適切に説明できないものを見直すよう求めている。

そこで、教育委員会として、今後校則に着いてどのような取組をしていくのか伺う。

 

<答弁 抜粋>

制服については、各学校で見直しの動きが進んできていることを踏まえ、今後も市内や他都市の状況把握に努め、調査研究していく。

制服は、長年にわたり卒業生や地域の課方から親しまれているもの。そのため、見直す場合には、機能性や多様性だけでなく、制服のあり方や必要性の視点も加え、生徒や保護者、地域の方々と共に考える機会を設けることについて、学校へ指導をしていく。

 

校則の内容や見直し状況に着いて、定期的に調査を実施し、意義を適切に説明できないような校則を見直していくよう学校に指導すると共に、生徒指導提要改定の案で新たに示された、校則のホームページへの掲載を指示していく。

 

再質問2点、教育長にする。

1点目。制服についての答弁では、あくまでも、学校単位で考えて欲しいということなのでしょう。高い金額の制服についても各学校任せなのでしょうか。就学援助を受けている家庭の中学校進学時の助成は6万円。この金額では入学時の準備ができない。多様性に配慮した制服も全ての学校ではない。

 

私は解決の一つとして統一の制服を提案させてもらったが、教育長から積極的な答弁ではなかった。では、教育長は保護者を悩ます使用頻度が低いのにも関わらず、値段の高い制服問題をどう解決するつもりか?

 

2点目は校則について。ホームページに掲載されるようしていくとのこと、一歩前進。しかし、校則には書かれていないが、ポニーテール禁止などの隠れたルールが学校にはあります。教員によって基準が変わったり、突然言われて戸惑ったりという問題があります。明文化されていないルールについての対応について、どのように考えているか?

 

<意見、要望>

子供達は「今」を生きている。違和感のある制服を着ることは苦痛そのもの。統一制服導入、あるいは制服の廃止を積極的に考えていただきたい。

校則においては、明文化されていないルールはルールではない。ルールは明文化するか、明文化していないルールは廃止するよう、各学校に指導するよう要望する。