「さらなる脱プラ対策を」〜一般質問その5〜

「さらなる脱プラ対策を」

 

私たちの暮らしに欠かせないプラスチック。食品容器やペットボトルだけでなく、家電製品や自動車、建物に至るまで、さまざまなところで使われている。しかし、現在、世界中で脱プラスチックの動きが加速している。身近なところではカフェチェーンでの紙ストローの採用や、スーパー等でのレジ袋の有料化など皆さんが知るところだと思う。その背景には、適切に処理されなかったプラスチックごみによる海洋汚染や、製造や焼却時に出る二酸化炭素の増加による地球温暖化など、さまざまな環境問題が絡んでいる。

そこで、さらなる脱プラステックを求めて、藤田環境部長に2点伺う。

1点目。本年市役所本庁舎の自動販売機からペットボトルがなくなり、ウォーターサーバーが設置された。市役所からのアクションは評判がいい。そこで、区役所、協働センターを含む公共施設でも、実施できるようにしないか伺う。

2点目。これまで分別され、資源として排出されたペットボトルは、シートや卵パック、繊維などに新たな製品に生まれ変わっている一方で、その製品が使用後にリサイクルされなければ、リサイクルの循環はそこで止まってしまう。

そこで今、注目されているのが、ペットボトルをペットボトルに生まれ変わらせる「水平リサイクル」。

水平リサイクルは、循環を止めず、「何度でもリサイクルできる」ようになるメリットがある。ペットボトルをリサイクル前と同じボトルに再利用(水平リサイクル)することにより、限りある資源が繰り返し再利用され、新たな石油資源の使用を削減することができる。石油由来の資源を使って一からペットボトルをつくるよりもCO2排出量を5663%減らせる効果があると言われている。

また、清涼飲料業界の団体である一般社団法人「全国清涼飲料連合会」は、水平リサイクルの比率を、2030年までに50%にすると宣言している。水平リサイクルの割合は、年々上がってきてはいるものの、2020年度現在では15.7%にとどまっている。

水平リサイクルを実現するためには、ごみの適切な分別を市民が更に意識する必要がある。京都市、仙台市や姫路市などではすでに実施されている。

そこで、本市でもボトルtoボトルリサイクルを導入する考えはないか伺う。

 

<答弁 抜粋>

今後、自動販売機については、契約更新に合わせて、スポーツ施設など利用形態を考慮し、可能な範囲でペットボトルの削減を進めるとともに、ウォーターサーバーに着いても区役所、協働センターなど、市民が広く利用する施設への展開を図っていく。

 

再びペットボトルにする水平リサイクルは市民にわかりやすく、理解が深まることで、資源化促進の効果が期待できる。一方、水平リサイクルにはコストがかかるため、容リ協に引き渡す場合と比べ、歳入の減少が見込まれる。

このため、費用対効果を考慮し、リサイクル方法を検討していく。

 

再質問2点。

答弁では水平リサイクルの場合歳入減るから、費用対効果を考えると難しいとのことだが、歳入だけ見ていては不十分ではないか。

 

1点目、令和3年度ペットボトルの売却価格5800万円に対して、中間処理に8200万円もかかっていた。3年間の売却価格と中間処理費用を出してもらったが、売却価格は年によって大きくばらつきがあり、一方中間処理費用、人件費なので、年々上がってきている。不安定な状況と理解していますが、どう判断なされているか?

2点目、水平リサイクルと現状のリサイクルについて、売却価格と中間処理費用を含めた総合的な比較をしたのか?

 

 

<意見>

ペットボトルの水平リサイクルについて意見。

ペットボトルの売却価格は変動が激しく、世界状況に変化によっては下落すること可能性があると言われている。また、中間処理費用は人件費が上がっていますので、今後費用は増えていく。

公益財団法人日本容器包装リサイクル協会に排出したペットボトルは、リサイクルの方法や製品について市としてはコントロールできない仕組みとなっている。

容器包装リサイクル協会ではなく、直接水平リサイクルできるところに出すようにすれば、市民にとってリサイクルの仕組みがわかりやすい。

市民が分別し、排出したペットボトルが、再びペットボトルとして活用される具体的なイメージができることで、啓発につながっていく。市民がリサイクルシステムを理解するには、市民行動と価値観の一致が重要と言われている。 身近なものに生まれ変わることが可視化できる「ペットボトルtoペットボトル」事業は、今こそ、行うべきだ。

 

市役所本庁舎のウォーターサーバー設置の取り組みなどは、とてもいいが、PRが少なく、市民の方の利用や啓発にはつながっていない。さらに、民間企業への波及もまだまだ。ぜひ、全市をあげての脱プラスチック対策につながるよう、要望する。