大きな質問の5番目は「放課後児童会について」です。
令和6年度から、民間事業者への放課後児童会の業務委託化が本格的に始まるにあたり、新たな委託先が決定したと伺いました。
これまで、民間企業やNPOなどへの委託方式、育成会への負担金方式などで児童会は地域や会によって、異なった運営されていましたが、来年度から、統一化された仕様書によって、公設民営の放課後児童会は運営されるようになります。
しかし、現場からは不安と混乱の声がたくさん出ています。そこで、いくつかの児童会に行き、現場を見、指導員、保護者の方たちから話を聞いてまいりました。
待機児童解消のためか、定員が多く設定され、身動きするにも大変、ぎゅうぎゅうの中で子どもたちが過ごしている児童会。特別教室は、学校側の都合で利用できる時間が限られたり、使えても、離れた場所にあり移動のための時間や職員の人手が確保したりできないなど、活用が難しい場合児童会。地域との連携がうまくいかず、苦情窓口が設置することができない児童会がありました。また仕様書には、児童や保護者等に対して受託者は児童や保護者等に対してアンケート調査などを実施し、運営内容について自己評価を行い、その結果を公表することになっているが、指摘をしてようやく出ましたが、未だホームページなどでの公表はされていません。
そこで「放課後児童会について」3点奥家学校教育部長に伺います。
1点目は、モニタリングや立入検査の体制についてです。
最近、保育所や放課後児童デイサービスなどで虐待や不正受給などの問題がニュースになっています。放課後児童会を民間企業に委託したとしても、行政には適正に業務が遂行されているかを監視する責任があります。「放課後児童クラブ運営指針」に則って、適切な運営をしているかどうかというモニタリングは今後さらに重要になってきます。しかし、現状は不十分です。仕様書には、月報に基づき、実施状況、施設の管理状況を確認することができる。随時、現地調査を行うことができるとなっています。しかし、月報には、児童数、待機児童数、支援員数、開設人数、時間、主な活動内容などだけで、これではおかしなところを見つけることは難しいかと思われます。
定期的な立入検査の実施を含めて、児童会、委託先へのモニタリングをどのようにしていくのか伺います。
2点目は、支援員等の待遇についてです。
今回、これまでの委託先が他の企業へと変更になったところが多くでました。プロポーザル方式の入札なので、仕方がないことではあります。しかし、委託事業者が変更になった児童会では、新たな雇用となるため、支援員の有給休暇は今まであった有給休暇がゼロからのスタートとなり、これまでついていたボーナスも1年目はつかないとの説明があったと聞きました。これでは、3年後の入札で、再度事業者が変更になると、同じようなことが起きることが予想されます。これでは、支援員の経験に基づいた待遇にはなりません。放課後児童会は子どもの命、安全を守っているところであり、保育所と同様子育て家庭には不可欠なところです。また、誰が担ってもいいわけではありません。この点について、どのように考えるか伺います。
3点目は、民間参入についてです。
戦略計画2024の基本方針に、放課後児童会の待機児童解消に向けて、民間参入による定員拡充やサービスの充実を図るとありました。そこで、具体的にどのように考えているのか伺います。
放課後児童健全育成事業に参入している令和4年度の民間事業者はゼロであり、類似放課後児童クラブは8か所だけでした。これは補助金が少ないことが理由と考えられます。放課後児童クラブ民間事業の補助金を要綱で確認すると、250日以上開設をして、20人以上35人以下の在籍人数をいた場合、年間2,137,000円の1/2、1,068,500円です。また、類似放課後児童クラブへの補助金額は、令和4年度年間358,000円から1,024,000円とどちらも低額です。これでは、やる気のある事業者が進出できません。補助金額の見直しをする考えはないか伺います。
<奥家学校教育部長答弁 一部>
計画的に立入検査を実施し、運営について適切な指導を行い、持続可能でよい放課後児童会になるよう、PDCAサイクルの実行に努める。
支援員等と新たな運営事業者との間で締結される雇用契約に対しては市が直接関わることできないが、事業者選定において、継続雇用や待遇改善の提案を評価ポイントの一つとして運営事業者を決定していく。
契約期間について、より長期の期間の設定を検討しつつ、事業者選定について支援員等の待遇のほか、事業者の運営能力や活動内容などを総合的に評価していく。
今後は民間事業者も積極的に参画できる仕組みづくりの一環として、既存補助制度の拡充を含め、制度の充実に努めていく。
続いて、大きな質問の6番目はプロポーザル方式の業務委託についてです。
放課後児童会の業務委託先は、公募型プロポーザル方式で決定されました。企画提案書の提出を求めて、最も優れた提案をしたものと契約する方式です。放課後児童会の特定にあたり、審査会において企画提案書の補足説明、質疑応答を踏まえ、評価基準に基づいて評価し、最低基準点を超え、かつ最も優れている事業者を特定したとされています。つまり、複数の提案者がいた場合、何らかの優れた点があったから、選ばれたはずです。
そこで、これまでの公募型公募型プロポ―ザル方式の結果がどのように公表されているのか、確認してみました。プロポーザル方式の業務委託結果については、業務委託随意契約結果一覧に契約相手先等は掲載されてはいるものの、「本業務は、専門的な知識や経験を必要とする業務であることから、公募型プロポ―ザル方式によって参加者の企画提案能力等を審査し、当該業者が本業務に最適な者であると判断したため」としかなく、公表内容が不十分です。これでは、複数の提案があった場合、どう最適だったのか、判断できません。積極的に情報開示する考えはないか石切山財務部長に伺います。
<再質問>
奥家学校教育部長に再質問します。「計画的な立ち入り検査を実施して、運営について適切な指導を行う」という答弁でしたが、今回の業務委託期間は3年です。この3年の間に最低1回は児童会に立ち入り検査をするという理解でいいでしょうか。また、その結果は市民に公表されるのでしょうか。
<石切山財務部長答弁 一部>
プロポーザル方式は、企画提案の評価により、受託候補者を特定していることから、結果だけではなく評価の内容についても透明性の向上を図ることが重要。
他都市の公表状況などを踏まえて検討していく。
<意見・要望>
今回は、放課後児童会ということで絞って聞きましたが、放課後児童会だけでなく「子どもの放課後をどう考えるのか」という大きな視点での議論を始める時期に来ているかと思います。地域のつながりが薄くなり、公園で遊んでいる子どもたちを見ることが少なくなってきました。家と学校以外の居場所がない子どもたちがいます。放課後や休みの日に、子どもたちがホッと安心できる場所を、改めて考え、整えていく必要があります。
<まとめ>
今回のテーマは、「複雑で、多様で、複合的な課題に向き合う」でした。ケラー、困難な問題を抱える女性、困難を抱えた中学卒業後の子ども、化学物質過敏症などへの対応は単独の担当課、団体だけで解決できるものではありません。
元気な浜松には、元気な市民が必要です。困っている、苦しんでいる市民を一人でも減らし、支え、元気な市民を増やしていくことにも総合力で取り組んでいただいたいと思います。