「教育現場での香害をはじめとする化学物質過敏症への対応について」〜一般質問その4〜

大きな4点目の質問は「教育現場での香害をはじめとする化学物質過敏症への対応について」です。

教室には生徒が使っている柔軟剤、制汗スプレー、トイレには芳香剤など、教育現場には様々なにおい、化学物質が充満しています。こうした揮発性有機化合物の匂いで、健康被害を起こす「香害」、においの害を訴える人が増えてきています。香害は、化学物質過敏症の入口、予備軍と言われています。化学物質過敏症の患者さんは、健常者の許容量の数万から数十万分の一の超極微量(ちょうごく微量)の化学物質に接しても、頭痛、めまい、咳、粘膜の炎症、関節・筋肉痛、疲労・倦怠感が常にあり、呼吸困難、アナフィラキシーショックを起こすことがあります。発症メカニズムの解明はまだ途上で、診断・治療ができる医療機関は県内どころか中部地方にありません。

香害をはじめとする化学物質過敏症から子どもたちを守るために一定の対策を取る必要があリます。

そこで、「教育現場での香害をはじめとする化学物質過敏症への対応について」2点奥家学校教育部長に伺います。

1点目です。現在、各家庭で記入する「健康調査票」に化学物質過敏症と記載できるようになり、それにより学校側が対応できるようにはなってきました。しかし、他の家庭で洋服や体操服などに香り長持ちする柔軟剤が使われそれをきて学校に来ると、香害や化学物質過敏症に苦しむ生徒はさらに苦しみます。だからこそ、他の保護者には、香害や化学物質過敏症についての理解が必要です。香害をはじめとする化学物質過敏症の周知と予防のために、ウェブでの保護者へのアンケート調査を行う考えはないか伺います。宝塚市では、WEBで保護者へのアンケートをとったところ、小学生の7%、中学生の9%が香害の健康被害を受けているという結果が出ました。

 

2点目です。給食当番が身につける「白衣」は、多くの学校では、1週間の給食当番を終えた子どもは自宅で白衣を洗い、次週の子どもに渡す「共有」とされています。

給食配膳時に使用する白衣の柔軟剤の臭いによって、心身に影響が出ている子どもや保護者がいます。給食白衣の対応の現状と、今後どのような対応をしていくか伺います。全国的には、白衣の共用を廃止し個人持ちにしたところ、個人持ちを選択できるようにしたところがあります。浜松市ではどのような対応をしていきますか。

<奥家学校教育部長答弁 一部>

保健頼り等で周知・啓発により保護者への理解を促すとともに、本年度中に各学校の実態を把握した上で、保護者アンケートの実施の必要性についても検討していく。

給食用白衣については、児童生徒の実態や各学校での取り扱い状況を確認するとともに、給食用白衣の取り扱い及び今後の在り方について検討していく。

 

<再質問>

奥家学校教育部長に再質問します。香害をはじめとする化学物質過敏症について各学校の実態を把握し、検討していく、給食用白衣も児童生徒の実態や各学校の取り組み状況を確認し、検討していくとのこととの答弁でしたが、「大変な子いるわね」で終わってしまっては困ります。実態を把握したのち、どこで検討し、その対応については、学校や保護者にフィールドバックしていくつもりなのか、再質問します。

 

<意見>

化学物質過敏症の症状についての周囲の理解不足を背景としたいじめなどの二次被害が生じないよう、配慮が必要です。また、学校現場でも広く教職員の皆さん、児童生徒の皆さん、その保護者の方々に香り成分の化学物質と化学物質過敏症の関係を知って、香害を生まない配慮を広めていただきたいです。

 

香害という言葉が先走りし、香料だけに問題があるようなイメージを与えてしまいますが、実際は抗菌剤、消臭剤などの成分にも大いに問題があります。タバコの臭いがする衣類に消臭スプレーをかけるとタバコの化学物質に消臭スプレーの化学物質がプラスされ、リスクが増します。「臭いがしなくても体が影響を受ける」ことを、多くの保護者や教職員に知っていただけるよう要望します。