ケアラー支援について〜一般質問その1〜

今回のテーマは、「複雑で、多様で、複合的な課題に向き合う」です。

これまで市民の方々から様々な相談にのってまいりました。1つの家庭の中に、子どもの不登校、障がいのある家族、生活困窮、そして背景にあるジェンダーの問題などが複雑に絡まり、1つの機関だけでは解決できないことが増えてきました。これまでの子ども・障がい者・高齢者・生活困窮者といった対象者ごとの支援体制だけでは、様々なニーズへの対応は難しくなってきています。

 

本市には複雑で、多様で、複合的な課題が多く存在しており、しかしそれに対する支援サービスは十分ではありません。今回の質問では、その点を中心に質問していきます。

 

まず、大きな1番目の質問は「ケアラー支援について」です。

これまでは私は、ケアラー支援についての一般質問を何度も行ってきました。平成22年には家族介護者支援、平成30年にはヤングケアラー支援、昨年度はケアラー条例、障がい児のケアラー支援を取り上げてまいりました。ようやくヤングケアラーへの支援策は出てきましたが、他のケアラー支援は進んでいません。

 

今回の市長の公約「浜松をもっと元気に!!〜私が取り組む浜松創生〜」に「ヤングケアラーを含めたすべてのケアラーに対する支援の充実を図ります」とありました。これまでなかなか進まなかったケアラー支援が進むのではないかと、市長のケアラー支援施策に大変期待をしています。

 

ケアラーとは、高齢、障がい等により、援助を必要とする親族等に対して、無償で介護等を提供する人で、ヤングケアラー以外にもケアラーはいます。高齢の親を高齢の子がケアする老々介護、介護と子育てをするダブルケアラー、認知症の方を介護するケアラー、障がい児者を介護するケアラー、きょうだいケアラー、「80」代の親が「50」代の引きこもりの子どもの生活を支える8050問題などです。最近では、仕事と介護を両立するビジネスケアラーという言葉も出てきていて、ケアラー支援の充実が全国的にも求められています。

 

昨年度実施した浜松市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定に伴う実態調査の中で、在宅要介護認定者のケアラーの方に、介護する上での困りごとを聞いています。その結果、「心身の負担が大きい」「自分の時間が持てない、自分の仕事ができない」「経済的な負担が大きい」などを挙げています。

 

また、障がい福祉に関するアンケート調査では、18歳未満の障がいのある人を介助者(ケアラー)に介助する上で困っていることを聞いています。「心身の負担感が大きい」、「同時に育児を行っている」、「自分の時間がない、仕事がしたいが出られない」などという結果が出ています。ケアラー自身への支援の必要性が大きいことがみて取れる結果となっています。

 

そこで、ケアラー支援について2点伺います。

1点目は、まずケアラー支援を公約に入れた中野市長の思いを伺います。これまで、浜松市の政策として、ヤングケアラー支援という言葉は出てきましたが、ケアラー支援という文言は私が知る限り初めてです。中野市長はケアラー支援と公約に出してくださったことには確かな思いがあるかと想像しています。市長の思いをお聞かせください。

<市長答弁 一部>

来年度より、「重層的支援体制整備事業」を本格的に実施する。制度の狭間の課題解決に取り組んでいるコミュニティ・ソーシャルワーカーを連携の要として、個別支援と地域に対する支援の両面から事業を転嫁し、当事者だけでなくケアラーを地域で支える地域共生社会の実現を目指していく。

 

2点目です。昨年度の私の一般質問への山名副市長の答弁で「ケアラーの気持ちに寄り添った相談支援ができるよう、相談員のスキルアップを図るとともに、引き続き包括的な相談支援体制の充実・強化に努めてまいります」との答弁をいただきました。もちろん、相談支援の充実は重要ではありますが、ケアラーに寄り添った、ケアラー対象のサポートも必要です。中野市長は、その点についてもちろんご理解いただいているかと思います。

今、策定中のはままつ友愛の高齢者プランの案では、ケアラーが抱える悩みや負担に対し、「適切な関係機関と連携しながら、ケアラーを支援していきます」としかなく、具体的な施策が示されていません。

例えば、具体的な施策として、ケアラーの負担軽減のために、家事支援ができないでしょうか。ヤングケアラーには、家事・育児支援をするヘルパーを派遣するサービスが今年度から始まりました。しかし、他のケアラーにはまだありません。

介護保険も障がい福祉も家事サービスの対象となるのは、利用者本人のための家事支援が原則で、介助している家族や他の家族のための家事支援サービスではありません。ケアラーが心身ともに疲れていても、経済的負担がかかるため、ケアラーは自分のために有料で頼むのは気が引けてしまうとケアラーの方が話をしてくれました。

元気になりたいけど、元気になれない人たちがいるのです。

 

障がいのある子と他のきょうだいを育てる方からは、「ひと月に一度でも、夕飯準備などの家事を手伝ってもらえたらきょうだいとの時間を取れるのですが」と相談支援員さんに伝えたところ、「当事者支援の相談にしかのれない」と言われて絶望したという話も聞きました。ケアラーの心身の負担が大きいと相談員などが判断するならば、家事支援の無料派遣、ショートスティの1割引や補助など、全国に先駆けて、具体的なケアラー支援を進めてはどうかと考えます。

具体的なケアラー支援施策として、どのようなことを考えているのか、鈴木健康福祉部長に伺います。

鈴木健康福祉部長答弁 一部>

地域包括支援センター障がい者相談支援センターなどの相談支援機関では、当事者だけでなく、その家族や介護者からの相談にも応じている。

ケアラーが抱える事情やニーズが様々であるので、当事者や家族会などの意見を伺いながら、具体的な支援策を検討していく。

<再質問>

中野市長に再質問します。

公約には「家事・育児支援を行うヘルパー派遣の拡充など、ヤングケアラーを含めた全てのケアラーに対する支援の充実を図ります」とあります。本当に期待していました。しかし、先ほどの鈴木健康福祉部長の答弁では、「当事者や家族会などの意見を伺いながら具体的な支援策はこれから検討」とのんびりした答弁でした。すでに、昨年度アンケート調査をしていることですし、具体的な策がないというのは、スピード感ないではありませんか?公約はその程度の認識だったのですか?

 

<意見・要望>赤石市では、認知症のご家族、ケアラーに、宅配弁当券20回分、寄り添い支援サービス券10回分、1泊2日のショートステイ利用券、3つの無料券が届けられます。地方自治体だからこそ、できる痒いところに手が届く施策です。

 

本人支援、当事者支援はケアラー支援の核です。しかし、本人支援がどんなに充実しても、ケアラー支援は制度として必要です。なぜなら、本人を支えながらもケアラーも自分の人生を歩んでいる側面があるからです。介護しなければ起こらなかったであろう健康の不安、経済的負担、ケアラー自身の夢・希望の挫折など、「本人支援だけでは支援できない側面」が存在しています。市長、公約に入れてくださっている以上、全国一のケアラー支援を進めていただきたいと希望を込めて、要望いたします。